消滅職業図鑑
NO.001◇変質 〜15c
書記

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Scribe

「もじがかけるの、ぼくだけ」

RECORD NO.001 · 前近代の世界

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◇変質〜15c古代世界⑦ メディア・娯楽の交代

要約

文字が読み書きできること自体が、ひとにぎりの専門技能だった時代。契約も税も祈りも、すべて書記の手を通って記録された。

しごとの中身

古代エジプトやメソポタミアでは、書記は数年がかりの養成学校で育てられるエリート職だった。パピルスや粘土板に、税の記録、王の布告、神々への祈りを書きつける。読み書きできる者が人口のごくわずかだった社会では、文字を扱える者のところにすべての情報が集まった。

中世ヨーロッパでも、手紙や契約書は代筆が当たり前。街角の代書人から王室の書記官まで、「書ける」だけで食べていける時代が数千年つづいた。

道具

葦ペンパピルス・粘土板インク壺書記の座り姿勢

きえたわけ

  • 15c—活版印刷術が登場し、文書の複製が機械化される

  • 近代—公教育で識字率が上がり、「書ける」が特技でなくなる

  • 現代—事務職・ワープロ・音声入力へと役割が溶けていく

書記は消えたというより、全人類に配られた。だれもが書ける社会とは、いいかえれば全員が書記の社会である。

豆ちしき

古代エジプトには「書記になりなさい。ほかのどの仕事もつらいのだから」と各職業の悲惨さを並べて説く教科書が実在した。数千年前から、親が子にすすめる安定職だった。

この仕事の系譜

書記→速記者→ワープロ→音声認識AI

おなじ時代に消えたなかま