RECORD NO.056 · 20世紀の世界
速記者
Stenographer
◇変質〜20c世界・日本② 通信・デジタル化③ AI・アルゴリズム
要約
人間の話す速度に手で追いつくため、特殊な記号で言葉を書き取った記録のプロ。国会や法廷の言葉を支えた。
しごとの中身
独自の速記符号を使い、発言をリアルタイムで書き取る。会議、裁判、議会——正確な逐語記録が必要な場に立ち会い、あとで普通の文字に起こす。毎分数百字の発話に手で追随する、訓練の結晶のような技能だった。
道具
速記符号速記用ノートとペン発話を聞き分ける耳反訳の集中力
きえたわけ
20c後半—録音機の普及で「その場で書き取る」必要が減る
2000s〜—音声認識AIが自動文字起こしを担いはじめる
現在—法廷速記など一部に専門職が残る
録音は記録を、AIは反訳を肩代わりした。それでも、話し言葉の混線を正確にさばく人間の判断は、いまも一部の現場で必要とされている。
豆ちしき
日本の国会では長く速記者が議事を記録してきたが、近年は音声認識を活用した会議録作成システムへ移行が進んだ。民主主義の一次記録の作り手が、静かに人からAIへ替わりつつある。
この仕事の系譜



