消滅職業図鑑
← 索引にもどるNO.052 プルマンポーター
NO.052◆絶滅 〜1960s
プルマンポーター

プルマンポーター

Pullman porter

「よいたびを、どうぞ」

RECORD NO.052 · 20世紀の世界

プルマンポーター

Pullman porter

◆絶滅〜1960s米④ 生活様式・インフラ

要約

アメリカの豪華寝台列車で給仕を務めた黒人男性たち。過酷な労働の一方で、黒人中産階級と公民権運動を育てた歴史的職業である。

しごとの中身

寝台の設営、靴磨き、荷物運び、乗客の世話を一手に引き受ける。長時間労働・低賃金・チップ依存で、乗客からは一律に「ジョージ」と呼ばれるなど尊厳を削られたが、安定した現金収入は当時の黒人にとって貴重だった。全米を移動する彼らは、情報と新聞を各地に運ぶ役目も担った。

道具

制服寝台設営の手際靴磨き道具全米の路線知識

きえたわけ

  • 1937—黒人主導の労働組合が団体交渉権を勝ち取る※

  • 1950s〜—自動車と航空機の普及で寝台列車が衰退する

  • 以後—職業は縮小し、役割は客室乗務員へ移る

労働運動と公民権運動の指導者を数多く輩出したこの職業は、消えたあとも人材という形で社会に残りつづけた。

豆ちしき

プルマンポーターの組合が発行した「グリーンブック」など、黒人が安全に旅できる店や宿を記した案内は、全米を移動する彼らのネットワークから生まれた。移動する職業が、移動の自由の地図を作った。※

この仕事の系譜

プルマンポーター → 航空客室乗務員

おなじ時代に消えたなかま