RECORD NO.055 · 20世紀の世界
映写技師
Film projectionist
◇変質世界② 通信・デジタル化
要約
映画館の映写室でフィルムを操り、上映を守った技術者。フィルムからデジタルへの移行で、職人技はボタン操作に変わった。
しごとの中身
重いフィルムのリールを映写機にかけ、複数の映写機を切り替えながら途切れず上映する。ピント、明るさ、音量を調整し、フィルムの切れやすい継ぎ目に神経を張る。上映中は映写室を離れられない、一本の映画を裏で支える孤独な専門職だった。
道具
映写機フィルムリールピントと露光の調整継ぎ目を見る目
きえたわけ
2000s〜—デジタルシネマ(DCP)への移行がはじまる
2010s—主要な映画館からフィルム映写機が撤去される
以後—上映はサーバー再生になり、専任技師が不要に
フィルムの職人技は、再生ボタンひとつに圧縮された。資格を要する専門職が、他業務との兼務作業に変わった変質型である。
豆ちしき
デジタル化で失われることを惜しむ監督もおり、一部の巨匠は今もフィルム上映用のプリントをあえて作る。彼らのこだわりが、消えかけた映写技師の技を一部の劇場で生きながらえさせている。
この仕事の系譜
映写技師 → デジタル映写(ボタン一つに)



