RECORD NO.058 · 20世紀の世界
ラジオ効果音係
Radio sound effects artist
◇変質〜1950s米・欧・日⑦ メディア・娯楽の交代
要約
生放送のラジオドラマで、ドアの音も馬の足音も雷鳴も、その場で手作りした音の職人。技能は映画音響へ受け継がれた。
しごとの中身
台本に合わせ、ココナッツの殻で馬の蹄、鉄板を揺らして雷、砂利の箱を踏んで足音を鳴らす。生放送では一発勝負、タイミングがずれれば台無しになる。俳優の声と同じ空間で、聴取者の頭の中に情景を立ちあげる魔術師だった。
道具
ココナッツの殻雷鳴板砂利や布完璧なタイミング
きえたわけ
1950s〜—テレビの台頭でラジオドラマが衰退する
同時期—録音された効果音ライブラリが生演奏を置きかえる
以後—生の音づくりの場が消える
「その場で鳴らす」必要は消えたが、手で音を作る技術そのものは死ななかった。映画のフォーリーアーティストとして、いまも足音を録り続けている。
豆ちしき
映画の生音を作る「フォーリー」は、この分野の草分けジャック・フォーリーの名にちなむ。ラジオで消えかけた手作りの音は、名前を変えて銀幕の裏に生き残った。
この仕事の系譜
ラジオ効果音係 → フォーリーアーティスト(映画音響)



