RECORD NO.059 · 20世紀の世界
航空機関士
Flight engineer
◆絶滅〜1980s世界② 通信・デジタル化① 電化・機械化
要約
コックピットの3人目として、エンジンや燃料、電気系統を専門に管理した乗員。計器の電子化が、その座席ごと消した。
しごとの中身
パイロットの後ろの計器盤に向かい、エンジン出力、燃料配分、与圧、電力を監視・調整する。数百のスイッチと計器を読み、異常があれば即座に対処する。操縦士が「飛ばす」ことに集中できるよう、機体そのものの管理を一手に担う高度専門職だった。
道具
エンジン計器盤燃料・電気系統の知識数百のスイッチ異常を読む勘
きえたわけ
1980s—コンピュータ制御のグラスコックピットが実用化される
1980s〜90s—新型機が2人乗務(操縦士のみ)で設計される
以後—機関士の職務を計算機が肩代わりし、座席が消える
システムが自らを監視するようになったとき、監視する人間の席がなくなった。コンピュータが物理的に座席を一つ消した、鮮やかな例である。
豆ちしき
機関士出身のパイロットは「機体のことを誰よりも知っている」と重宝された。職業は消えても、その知識を持つ人材は操縦席に移って生きのびた。消滅は、知識の移住でもあった。
この仕事の系譜
航空機関士 → 計器の電子化・2人乗務化



