RECORD NO.046 · 20世紀の世界
電話交換手
でんわこうかんしゅ / Switchboard operator
◆絶滅〜20c後半世界・日本① 電化・機械化② 通信・デジタル化
要約
電話は最初、相手に直接かけられなかった。まず交換手につながり、「〇〇番へ」と告げると、交換手がプラグを差しかえて回線をつないでくれた。すべての通話に、人間がひとり挟まっていた。
しごとの中身
目の前には穴だらけの交換台。ヘッドセットで注文を聞き、コードの先のプラグを相手の番号の穴に差しこむと、通話がつながる。熟練の交換手は両手をたえず動かし、同時にいくつもの通話をさばいた。
日本では明治23年(1890)、東京〜横浜の電話開通と同時にこの仕事が生まれた。若い女性の花形職業で、正確な言葉づかいと記憶力が求められた。町のだれとだれがよく話すか、交換手はぜんぶ知っていた——プライバシーもへったくれもない時代である。
道具
交換台プラグとコードヘッドセット加入者名簿
きえたわけ
1920s〜—自動交換機が登場し、ダイヤル式電話が広まりはじめる
1979—日本全国の電話が自動即時化を完了する
以後—交換手は案内係へ、そしてコールセンターへ
ダイヤルを回せば機械が勝手につないでくれる。人間が挟まる必要は、技術的にはとっくになくなっていた。それでも全国の電話が完全自動化するまで、開通から90年ちかくかかった。
豆ちしき
世界最初の交換手は少年たちだった。ところが口が悪くいたずらばかりするので、電話会社はすぐに女性へ切りかえた。「電話のむこうの声」が女性になったのは、少年たちの素行が原因である。
この仕事の系譜



