RECORD NO.070 · 江戸の日本
長崎通詞
Nagasaki interpreter
◇変質〜江戸期日本⑤ 制度・法律
要約
鎖国下の長崎で、オランダ語や中国語の通訳・貿易実務を世襲で担った専門職。鎖国という制度が生み、開国が解体した。
しごとの中身
出島のオランダ商館との交渉、貿易書類の翻訳、海外情報の収集・報告を担う。語学は親から子へ家職として受け継がれ、辞書もない中で口伝と実務で習得した。単なる通訳を超え、西洋の学問や世界情勢を幕府に伝える、鎖国日本の細い窓口だった。
道具
オランダ語・中国語貿易実務の知識世襲の家学海外情報
きえたわけ
1854〜—開国により長崎独占の貿易体制が崩れる
明治—洋学校で英語などを学んだ通訳が各地に育つ
以後—世襲の特権職から、開かれた通訳・翻訳業へ
鎖国という「窓が一つだけ」の制度が、通詞という特権を成り立たせていた。窓がすべて開いたとき、特定の窓の番人は不要になった。ただし語学の職能は近代の通訳者へ受け継がれた。
豆ちしき
通詞たちは日本の近代化の隠れた立役者で、蘭学や西洋医学の受容に大きく貢献した。彼らが訳した言葉の一部は、いまも日本語の学術用語として残っている。
この仕事の系譜
長崎通詞 → 通訳者・翻訳者



