RECORD NO.072 · 江戸の日本
棒手振り
Botefuri peddler
◆絶滅〜明治日本④ 生活様式・インフラ
要約
天秤棒の前後に商品を提げ、売り声とともに町を売り歩いた零細商の基本形。あらゆる行商の原型である。
しごとの中身
魚、野菜、豆腐、しじみ、納豆——天秤棒一本で担げるだけの品を仕入れ、独特の売り声で長屋の路地を回る。元手が少なくても始められるため、都市に流入した人々の受け皿になった。得意先を回る顔なじみの商いで、声とルートが財産だった。
道具
天秤棒と桶・盤台売り声得意先のルート仕入れの目利き
きえたわけ
明治〜大正—常設の小売店が増える
昭和—スーパーマーケットが登場し、買い物の場が店舗に移る
以後—移動販売から定置店舗、そしてネット通販へ
「売り手が客のところへ行く」商いは、「客が店へ来る」商いに置きかわった。だが近年、移動販売やネット通販という形で「客のところへ届ける」商いが復権しつつある。
豆ちしき
棒手振りの独特の売り声は、商品ごとに節回しが決まっていて、姿が見えなくても声だけで何売りか分かった。都市の音風景そのものが、生きた広告だった。
この仕事の系譜



