RECORD NO.012 · 前近代の世界
水売り
Water carrier
◆絶滅〜19c世界④ 生活様式・インフラ
要約
蛇口が家になかった時代、飲み水は買うものだった。桶や革袋で水を担ぎ、都市の路地を売り歩く仕事が世界中にあった。
しごとの中身
川や井戸、湧き水から水を汲み、天秤棒の桶や背中の革袋で運んで戸別に売る。水質の良い水源を知っていることが商売の生命線で、「あの水売りの水はうまい」が信用そのものだった。パリにもカイロにも江戸にも、同業者が路地を歩いていた。
道具
天秤棒と桶革の水袋柄杓良い水源の知識
きえたわけ
19c—近代都市が上水道の敷設をはじめる
20c—配管が各戸に届き、水が「買う物」から「ひねる物」になる
以後—職業は消え、需要はインフラに吸収される
水道とは、水売り全員を土に埋めた配管である。インフラが職業を丸ごと置きかえる、もっとも古典的なパターンだ。
豆ちしき
ペットボトルの水が売れる現代は、ある意味で水売りの復活である。ただし担ぐのは人間ではなく、物流網に変わった。
この仕事の系譜
水売り → 水道インフラ→ペットボトル飲料



