RECORD NO.022 · 産業革命の世界
骨相学者
Phrenologist
◆絶滅〜19c末欧・米⑥ 医学・科学の更新
要約
頭蓋骨の凹凸で性格や才能がわかる——19世紀に大流行した「科学」の専門家。理論の土台ごと否定されて消えた。
しごとの中身
客の頭を両手で触診し、隆起の位置から「慎重さ」「愛情」「好戦性」などを診断する。診断書は就職や結婚の参考にされ、盛り場には骨相学の館が立ち、専門誌が刊行され、区画を描きこんだ陶製の頭部模型が飛ぶように売れた。
いまで言う性格診断と適性検査を一手に担う、時代の花形サービス業だった。
道具
両手の触診陶製の頭部模型診断チャート自信
きえたわけ
19c前半—欧米で爆発的に流行し、職業として成立する
19c後半—神経科学の進展で理論が科学的に否定される
以後—学会からも市場からも退場する
脳の機能局在という発想だけは後の科学に引き継がれた。まちがった地図でも、「脳に地図がある」という直感は正しかった。
豆ちしき
区画線の入った白い陶製の骨相模型頭は、いまもアンティーク雑貨として世界中で売られている。職業は消え、診察道具だけがインテリアとして生き残った。
この仕事の系譜
骨相学者 → 神経科学(理論自体が否定)



