RECORD NO.024 · 産業革命の世界
氷配達人
こおりはいたつにん / Iceman
◆絶滅〜1950年代米① 電化・機械化
要約
冷蔵庫がまだ電気で動かなかった時代、家庭の「アイスボックス」に入れる氷のかたまりを、馬車やトラックで配って回る仕事があった。
しごとの中身
朝、氷屋の倉庫で巨大な氷塊を受けとり、担当の街区を回る。注文の合図は、窓に貼られた「ICEカード」。25・50・75・100ポンドと書かれたカードの向きで、その家がほしい氷の量がわかる仕組みだった。
注文ぶんをノコギリで切り出し、氷ばさみでつかんで肩にかつぎ、台所のアイスボックスまで運び入れる。夏は一日じゅう重い氷と階段の往復。子どもたちは荷台からこぼれる氷のかけらを追いかけた。それが夏のおやつだった。
道具
氷ばさみ氷ノコギリ革の肩当て馬車またはトラック
きえたわけ
1910s—家庭用電気冷蔵庫が発明される
1930s〜—冷蔵庫の値段が下がり、都市部に普及しはじめる
1950s—アイスボックスが姿を消し、配達ルートごと消滅する
「冷たさ」が配達されるものから、台所で作られるものに変わった。氷配達人はアメリカの都市の夏の風物詩だったが、コンセントひとつに敗れた。
豆ちしき
日本にも同じ仕事があった(NO.106 氷屋)。木製の「氷冷蔵庫」の上段に氷、下段に食べ物を入れる仕組みで、電気冷蔵庫の普及率が9割を超える昭和40年代まで、氷屋さんは現役だった。
この仕事の系譜



