RECORD NO.029 · 産業革命の世界
ぼろ買い
Rag-and-bone man
◇変質〜20c英・欧④ 生活様式・インフラ
要約
「ぼろ、骨、くず鉄〜」の呼び声とともに手押し車や馬車で回り、家庭の不要品を買い集めた都市の循環業。日本の屑屋と同じ系譜である。
しごとの中身
ぼろ布は製紙原料に、骨は肥料やボタンや膠に、金属は鋳直しに——集めたものはすべて業者に売れた。ゴミがまだ資源だった時代、都市の物質循環の末端をこの仕事が回していた。呼び鈴や独特の売り声が近所への合図だった。
道具
手押し車・馬車呼び鈴秤相場の知識
きえたわけ
20c半ば—大量生産・大量消費でぼろの資源価値が下がる
20c後半—自治体の廃品回収が個人業を置きかえる
現在—リサイクル産業として制度の中に転生
「ゴミを買う人」は消えたが、理念は資源回収として行政に吸収された。回っていた馬車が、回収車に変わっただけともいえる。
豆ちしき
骨まで買い取ったのは、砕けば肥料、煮れば膠、削ればボタンになったから。捨てるところのない都市経済は、じつは19世紀にすでに完成していた。
この仕事の系譜
ぼろ買い → 廃品回収→リサイクル産業



