RECORD NO.032 · 産業革命の世界
車大工
Wheelwright
◆絶滅〜20c初欧・世界① 電化・機械化
要約
荷車や馬車の木製車輪をつくった専門職人。数千年つづいた「輪をつくる仕事」は、ゴムタイヤの登場で丸ごと不要になった。
しごとの中身
ハブ、スポーク、リムをそれぞれ別の木材で削り出し、組み上げた輪の外周に、熱して膨張させた鉄の輪をはめて急冷する。鉄が縮む力で全体が締まり、釘を使わずに輪が一体化する——「焼き嵌め」の瞬間が職人の見せ場だった。
道具
削り馬スポーク鉋鉄タイヤと火木の狂いを読む目
きえたわけ
19c末—空気入りゴムタイヤが実用化される
20c前半—自動車の普及で木製車輪の需要が消える
以後—技能は博物館と文化財修復の世界へ
車輪はむしろ増えつづけたのに、木でつくる理由だけが消えた。素材の交代が職業を消す典型例である。
豆ちしき
英語圏の姓「ホイールライト(Wheelwright)」はこの職業の名前がそのまま苗字になったもの。カーライトさんもクーパーさんも、名字の中に消えた職業が保存されている。
この仕事の系譜
車大工 → 自動車整備工



