RECORD NO.033 · 産業革命の世界
樽職人
Cooper
◇変質〜20c欧・世界① 電化・機械化④ 生活様式・インフラ
要約
ビールも塩も釘も火薬も、かつて輸送容器の王様は樽だった。あらゆる物流を支えた花形職人は、ウイスキー樽の世界に生き残る。
しごとの中身
樫などの板を火であぶって曲げ、タガで締めて水も漏らさぬ樽に仕上げる。接着剤なし、板の張力だけで密閉する高度な技能で、徒弟修業は数年がかり。港町や醸造所のそばには必ず樽工房があり、樽の規格が取引の単位(バレル)にまでなった。
道具
側板と火タガ削り台水漏れを聞き分ける耳
きえたわけ
19c末〜—金属缶・ドラム缶が輸送容器に進出する
20c—段ボールとパレットが物流の主役になる
現在—ウイスキー・ワインの熟成樽専門職として存続
「運ぶ容器」としては絶滅し、「風味をつくる装置」としてだけ生き残った。役割を一つ捨てて延命した変質型である。
豆ちしき
石油の取引単位「バレル(樽)」は、樽が容器の王だった時代の直接の遺産。樽職人の仕事の単位が、いまも世界経済のニュースで毎日読みあげられている。
この仕事の系譜
樽職人 → ウイスキー・ワイン樽で存続



