RECORD NO.043 · 産業革命の世界
銀板写真師
Daguerreotypist
◆絶滅〜1860s欧・米⑥ 医学・科学の更新
要約
世界最初の実用写真術ダゲレオタイプの写真師。より速く安い次世代技術に、わずか20年ほどで追い抜かれた。
しごとの中身
磨いた銀メッキ板を感光させ、カメラで数十秒の露光ののち、水銀蒸気で現像する。被写体は首を固定具で支え、まばたきをこらえて静止した。一枚ごとが複製不能の一点物で、小さなケースに収めて宝物のように扱われた。
道具
銀メッキ板大型カメラ首の固定具水銀(危険)
きえたわけ
1839—ダゲレオタイプが公開され、写真師という職業が誕生する
1850s—複製可能で安価な湿板写真が登場する
1860s—銀板は市場から駆逐される
写真術の第一世代は、写真術の第二世代に殺された。技術に生まれ、たった一世代で技術に死んだ職業である。
豆ちしき
初期の肖像写真の人物がみな仏頂面なのは、数十秒の露光中に笑顔を固定できなかったから。「写真は真顔で」という文化は、技術的制約の化石である。
この仕事の系譜
銀板写真師 → 写真館→写真家



