RECORD NO.045 · 産業革命の世界
ライノタイプ工
Linotype operator
◆絶滅〜1980s米・欧② 通信・デジタル化
要約
溶けた鉛で活字を「一行まるごと」鋳造する自動植字機のオペレーター。新聞の速報体制を支えた、鉛と蒸気の職人である。
しごとの中身
90鍵の独特なキーボードを打つと母型が並び、溶けた鉛合金が流しこまれて一行分の活字(ライン・オブ・タイプ)が鋳あがる。手植字の何倍もの速さで、日刊新聞の大量組版を可能にした。機械は熱く、鉛は重く、油と金属の匂いが職場の空気だった。
道具
90鍵キーボード溶けた鉛合金母型耐熱の指先
きえたわけ
1886〜—ライノタイプが新聞社に普及し、手植字を圧倒する
1970s—写植とオフセット印刷への移行がはじまる
1980s—DTPの登場でオペレーターごと退場する
手植字を殺した機械が、百年後に電算写植に殺された。技術の食物連鎖の、みごとな中間者である。
豆ちしき
キーボードの左端の並び「ETAOIN SHRDLU(エタオイン・シュルドゥル)」は、エラー行を埋める打ち捨て文字としてしばしば紙面に誤植のまま印刷され、印刷業界の合言葉になった。意味のない呪文が、職業の墓碑銘として残っている。
この仕事の系譜



