RECORD NO.076 · 江戸の日本
幇間(太鼓持ち)
Taikomochi
◇変質〜昭和日本④ 生活様式・インフラ
要約
宴席で客と芸者の間を取り持ち、座を盛りあげた男性の職業芸人。「たいこもち」は慣用句にだけ残り、現役は全国に数名となった。
しごとの中身
料亭や座敷の宴席に呼ばれ、話芸・踊り・かくし芸で場を沸かせる。客を立て、芸者を引き立て、座の空気を読んで笑いを作る、高度な接客芸能。客の機嫌を損ねずに盛りあげる呼吸は一朝一夕には身につかない、玄人の芸だった。
道具
話芸とかくし芸座を読む力客を立てる技術幅広い教養
きえたわけ
戦後—花柳界・料亭文化そのものが縮小する
20c後半—接待や宴席の様式が変わり、需要が細る
現在—全国に数名の現役を残すのみ
宴席という職場が縮んだ結果、そこでしか成立しない芸も居場所を失った。「太鼓持ち」は、へつらう人を指す比喩表現としてだけ日常語に残った。
豆ちしき
幇間の芸は「太鼓持ち」という言葉のイメージとは違い、教養と機知に富んだ高度な話芸だった。人に媚びる代名詞になってしまったこと自体が、この職業への最大の誤解かもしれない。
この仕事の系譜
幇間(太鼓持ち) → 現役は全国に数名



