RECORD NO.083 · 明治〜昭和の日本
渡し船の船頭
Ferryman
◆絶滅〜昭和日本④ 生活様式・インフラ
要約
橋のない川で、人や荷を舟で対岸へ渡した船頭。橋が架かるたびに、一つずつ姿を消していった。
しごとの中身
川の渡し場で、櫓や棹をあやつって客と荷物を対岸へ運ぶ。増水や流れの変化を読み、安全に渡すのが腕。街道が川で分断される要所には必ず渡し場があり、船頭は地域の交通の結節点を担った。朝から晩まで、同じ川を往復しつづける仕事だった。
道具
渡し舟櫓と棹川の流れを読む目渡し賃の管理
きえたわけ
明治〜昭和—各地で橋の建設が進む
20c—道路網の整備で渡し場が橋に置きかわる
以後—渡し船が姿を消していく
橋という恒久インフラが、船頭という人的サービスを不要にした。一本の橋の完成が、一つの渡し場と船頭の職を静かに終わらせた。
豆ちしき
今もごく一部に「渡し船」が観光・生活の足として残る場所がある。橋を架けにくい地形や、あえて情緒を残した渡しが、消えた職業の最後の実演として生きている。
この仕事の系譜
渡し船の船頭 → 橋・道路インフラ



