消滅職業図鑑
← 索引にもどるNO.088 蒸気機関車機関士・火夫
NO.088◇変質 〜昭和50s
蒸気機関車機関士・火夫

蒸気機関車機関士・火夫

Steam locomotive crew

「せきたん、くべて、しゅっぱつだ」

RECORD NO.088 · 明治〜昭和の日本

蒸気機関車機関士・火夫

Steam locomotive crew

◇変質〜昭和50s日本・世界① 電化・機械化

要約

石炭をくべる火夫と、機関を操る機関士の二人一組で走らせた蒸気機関車。技能継承が、いまや観光資源になっている。

しごとの中身

火夫はスコップで石炭を炉にくべ続け、蒸気圧を一定に保つ。くべ方が悪ければ力が出ず、勾配で立ち往生する。機関士は圧力と速度を見ながら加減弁を操り、時刻表通りに走らせる。運転室は夏でも炎熱地獄で、トンネルでは煙が充満した。

石炭、水、火——生き物のような機械と対話する仕事だった。

道具

スコップと石炭加減弁圧力計炎と煙への耐性

きえたわけ

  • 1960s—動力近代化計画で電化・ディーゼル化が進む

  • 1975—国鉄の本線での定期蒸気機関車運行が終了する※

  • 現在—観光SLの運行のため、技能が継承されている

効率で負けた機械が、情緒で生き返った。SL運行のために火夫の技術をわざわざ受け継ぐという、逆転現象が起きている。

豆ちしき

SL復活運行のため、引退した機関士が若い運転士に技術を伝える光景が各地で見られる。消えた職業が、消えた職業の教師として呼び戻された。

この仕事の系譜

蒸気機関車機関士・火夫 → 電車運転士(観光SLで技能保存)

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