RECORD NO.091 · 明治〜昭和の日本
押し屋
Train pusher
◇変質日本④ 生活様式・インフラ
要約
満員電車のドアに、乗客を押し込む係。海外から見た「日本の奇職」の代表として、いまも一部の駅に残る。
しごとの中身
ラッシュ時のホームに立ち、閉まらないドアの前で乗客の背中を押して車内に収める。乱暴に見えて、実際は挟まれ事故を防ぎ、ドアの安全を確認して発車を促す安全要員。押すだけでなく「これ以上は無理」と判断して次の電車へ促すのも仕事のうちである。
多くは学生アルバイトや駅員が兼務した。
道具
両手白手袋ドア閉扉の見極め大声の誘導
きえたわけ
高度成長期—通勤ラッシュの激化とともに定着する
2000s〜—ホームドアの設置と輸送力増強で必要性が減る
20XX—在宅勤務の定着でラッシュ自体が変わりつつある
満員電車という前提が崩れれば、押す仕事も消える。「働き方」が変わると「働き方を支える仕事」も消える、連鎖のカードである。
豆ちしき
海外メディアは "oshiya" として日本の通勤風景を象徴的に報じてきた。日本人にとっては日常の光景が、外から見れば奇観だった——職業は、見る角度で意味が変わる。
この仕事の系譜
押し屋 → ホームドア・輸送力増強で減少



