RECORD NO.093 · 明治〜昭和の日本
炭鉱夫
Coal miner
◆絶滅〜平成日本④ 生活様式・インフラ
要約
地下数百メートルで石炭を掘った、日本の近代工業を支えた職業。閉山の歴史は、地域社会そのものの消滅史でもある。
しごとの中身
坑道をトロッコと徒歩で降り、暗く狭く暑い切羽でツルハシや削岩機を振るう。落盤、出水、ガス爆発——常に死と隣り合わせで、事故は一度に何十人もの命を奪った。炭鉱町には社宅、商店、映画館まで揃い、一つの企業が街ごと抱える生活圏を形成していた。
道具
削岩機とツルハシ安全灯カナリア仲間との合図
きえたわけ
1960s—エネルギー革命で石炭から石油へ主役が交代する
1960〜80s—全国の炭鉱が次々に閉山する
2002—国内最後の大手坑内掘り炭鉱が閉山する※
職業が消えるとき、その職業だけが消えるとは限らない。炭鉱の閉山は、街と学校と商店街ごと地図から消した。エネルギー政策の転換が、生活圏を丸ごと畳んだ。
豆ちしき
かつての炭鉱町の跡は、いまや産業遺産として世界遺産に登録されたものもある。人が去った街の廃墟が、観光資源として再訪される——消滅の記録が、新しい価値になった。
この仕事の系譜
炭鉱夫 → 石油・電力産業



