RECORD NO.094 · 明治〜昭和の日本
井戸掘り師
Well digger
◆絶滅〜昭和日本④ 生活様式・インフラ
要約
人力で地面を垂直に何十メートルも掘り、水脈を探し当てた職人。水道が来るたび、一人ずつ廃業した。
しごとの中身
土地の地形と地質から水脈を読み、狭い穴を垂直に掘り下げる。掘る者と、上で土を引き上げる者の連携作業。深くなるほど酸素が薄く、崩落の危険も増す。水が出るまで報酬にならない、賭けの要素もある仕事だった。水脈を当てる勘が職人の評判を決めた。
道具
掘削の鋤と桶滑車と縄水脈を読む勘石組みの技術
きえたわけ
明治〜昭和—都市部から上水道の敷設が進む
1960s〜—地方にも水道が普及し、井戸の需要が消える
以後—機械ボーリングが専門工事に置きかわる
蛇口をひねれば水が出る——その当たり前が広がった分だけ、水を掘り当てる仕事が消えた。水売りと同じ、インフラに吸収された職である。
豆ちしき
井戸掘り師は「水脈を当てる」能力を売りにし、占い的な手法を用いる者もいた。科学以前の地下水探査は、経験と勘と、少しの神秘性で成り立っていた。
この仕事の系譜
井戸掘り師 → 水道インフラ



