RECORD NO.095 · 明治〜昭和の日本
下宿屋
Boarding house keeper
◆絶滅〜昭和日本④ 生活様式・インフラ
要約
学生や単身者に部屋と食事を提供した住まいの商い。大家が親代わりだった時代の住居である。
しごとの中身
自宅の一部を貸間にし、朝晩の食事を作り、風呂を沸かし、来客や電話を取り次ぐ。門限を設け、素行を見守り、時に親元へ手紙を書いた。部屋を貸すというより、生活丸ごとを引き受ける仕事だった。下宿人同士の交流も生まれ、一つの疑似家族が形成された。
道具
貸間賄いの食事門限と電話の取次面倒見のよさ
きえたわけ
1970s〜—風呂・トイレ付きのワンルームマンションが普及する
20c後半—プライバシー重視の価値観が広がる
以後—賄い付き下宿はほぼ姿を消す
「他人と暮らす煩わしさ」を金で回避できるようになった。ただしシェアハウスという形で、人とつながる住まいの需要は形を変えて戻ってきている。
豆ちしき
文豪や芸術家の若き日の下宿は、いまや文学散歩の名所になっている。安宿の一室が、後に日本文学を生んだ現場として記念碑になる——場所は職業より長生きする。
この仕事の系譜
下宿屋 → 賃貸アパート・学生マンション



