RECORD NO.101 · 明治〜昭和の日本
和傘職人
Wagasa umbrella maker
◇変質〜昭和日本④ 生活様式・インフラ
要約
竹と和紙と油で傘を作った職人。こうもり傘の輸入と国産化で、市場をほぼ失った。
しごとの中身
竹を割って数十本の骨を作り、和紙を貼り、荏油を塗って防水する。骨の数は多いもので数十本、すべて手作業。轆轤(ろくろ)という部品で骨を束ね、開閉する精緻な構造は、分業制の職人集団が支えていた。差した時の姿の美しさまでが商品だった。
道具
竹の骨和紙荏油轆轤
きえたわけ
明治—洋傘(こうもり傘)が輸入される
20c—軽くて丈夫で安い洋傘が国産化・大量生産される
現在—工芸品・舞台・茶道用として少数が存続
軽さと安さと丈夫さ、三拍子そろった洋傘に敵わなかった。ただし「美しさ」の一点で、和傘は工芸として生き残った。
豆ちしき
和傘は分業制で、骨作り、紙貼り、油引きが別々の職人の仕事だった。産地全体で一本を作る仕組みだったため、一人が欠けると全体が続かない——分業は効率と同時に脆さも生む。
この仕事の系譜
和傘職人 → 洋傘(工芸・舞台用に存続)



