RECORD NO.103 · 明治〜昭和の日本
下駄の歯入れ
Geta repairer
◆絶滅〜昭和日本④ 生活様式・インフラ
要約
すり減った下駄の歯だけを交換した、超サステナブルな修理業。履物そのものが消えて職も消えた。
しごとの中身
下駄の台はそのままに、すり減った歯を抜いて新しい歯を差し替える。台の穴に合わせて歯を削り、きつすぎず緩すぎない寸法に仕上げる。数十分の作業で、下駄はまた新品同様に履けた。街角や路地で商いをし、その場で直してくれた。
道具
替えの歯鉋と鑿木槌台の寸法を測る目
きえたわけ
20c—洋靴が日常の履物になる
戦後—下駄が日常から消え、履物文化が変わる
以後—歯入れの需要も消滅
消耗する部分だけを交換する設計は、修理を前提にした賢い作りだった。だが商品そのものが日常から消えれば、どんなに優れた修理業でも生き残れない。
豆ちしき
下駄は「歯だけ替えれば台は一生使える」という設計思想の履物だった。モジュール交換で長く使うという発想は、いまの修理しやすいガジェット設計と同じ考え方である。
この仕事の系譜
下駄の歯入れ → 靴産業



