RECORD NO.107 · 明治〜昭和の日本
ロバのパン屋
Donkey bread cart
◆絶滅〜昭和日本④ 生活様式・インフラ
要約
ロバ(実際は馬が多かった)が引く屋台で、蒸しパンを売り歩いた移動販売。音楽とともに子どもたちが集まった。
しごとの中身
ロバや馬が引く小さな屋台に蒸しパンを積み、音楽を流しながら住宅街を回る。「ロバのおじさん」のテーマ曲が聞こえると、子どもたちが小銭を握って走り出した。パンを売るというより、動物と音楽と甘い匂いのセットで、街に小さなイベントを運んでいた。
道具
ロバ(馬)と屋台蒸しパンテーマ曲子どもを集める演出
きえたわけ
1960s〜—パン屋とスーパーが日常の買い物先になる
1970s—交通事情の変化で動物の屋台が街を走れなくなる
以後—移動販売のパン屋が姿を消す
商品ではなく体験を売っていた商売は、商品だけを効率よく買える店に敗れた。ただし、記憶に残ったのは味ではなく、あの音楽である。
豆ちしき
ロバのパン屋の音楽は、聞いた世代にとって強烈な記憶の引き金になっている。街に音楽を流して商品を売るスタイルは、いまも石焼き芋や廃品回収の車に受け継がれている。
この仕事の系譜
ロバのパン屋 → パン量販・コンビニ



