RECORD NO.111 · 明治〜昭和の日本
映画看板師
Cinema billboard painter
◆絶滅〜昭和日本⑦ メディア・娯楽の交代② 通信・デジタル化
要約
映画館の正面を飾る巨大な看板を、手で描いた絵師。大判印刷が、その筆を置かせた。
しごとの中身
数メートル四方のベニヤ板に、スチール写真を見ながら俳優の顔を拡大して描く。似顔絵の技術に加え、遠くから見て映える色使いと構図が要求された。上映ごとに描き替えるため、街の風景が数週間ごとに塗り替わる。看板の出来が客足を左右する、集客の最前線だった。
道具
ベニヤ板と刷毛ペンキ拡大の技術遠目の効き
きえたわけ
1980s〜—大判の写真印刷が安く高品質になる
1990s—シネコン化で全国統一のポスターが使われる
以後—手描き看板が街から消える
手描きの味より、写真の正確さと全国統一のコストが勝った。看板は「その街の絵師の作品」から「配給会社の印刷物」になった。
豆ちしき
かつては映画館ごとに看板の絵柄が違い、同じ映画でも街によって顔が違った。ローカルな解釈が入る余地が、印刷の普及とともに消えた。
この仕事の系譜
映画看板師 → 大判印刷



