RECORD NO.116 · 明治〜昭和の日本
代書屋
Scrivener
◇変質〜昭和日本⑤ 制度・法律
要約
役所前などで書類を代筆した商売。消滅ではなく「国家資格に進化」した、珍しい型である。
しごとの中身
識字率が十分でない時代、役所への届出、契約書、手紙などを客の代わりに書く。字が書けるだけでなく、書式と法律の知識が必要で、役所のすぐ前に店を構える者も多かった。書類の書き方を知っていること自体が、専門性だった。
道具
筆と硯書式の知識法律の実務知識役所前の立地
きえたわけ
明治〜大正—識字率の向上で「書けない人」が減る
20c—行政書士・司法書士として資格制度が整備される
以後—無資格の代書業が制度に吸収される
字を書く仕事は消えたが、書類を扱う専門性は資格として制度化された。「消滅」ではなく「昇格」した稀有なケースである。
豆ちしき
落語の演目「代書」は、字の書けない客と代書屋のやりとりを描いた爆笑噺。消えた職業が、笑いの記録として高座に残っている。
この仕事の系譜
代書屋 → 行政書士・司法書士



