RECORD NO.118 · 明治〜昭和の日本
屎尿汲み取り人
Night soil collector
◆絶滅〜昭和日本④ 生活様式・インフラ⑥ 医学・科学の更新
要約
汲み取り便所から屎尿を回収した仕事。かつて屎尿は肥料として「売れる商品」であり、循環経済の担い手だった。
しごとの中身
柄杓と桶で便所から屎尿を汲み、桶を天秤棒や荷車で運ぶ。江戸期には農家が金や野菜と交換して買い取り、都市の屎尿は貴重な肥料資源だった。汲み取り権が売買されるほどの価値があり、大家の重要な収入源にもなっていた。
道具
汲み取り柄杓肥桶荷車匂いへの慣れ
きえたわけ
20c—化学肥料の普及で屎尿の肥料価値が消える
1960s〜—下水道と水洗トイレが普及する
以後—汲み取りの需要が激減する
かつて「買ってもらえた」ものが、「金を払って処理してもらう」ものに変わった。資源が廃棄物に転落した瞬間、それを扱う職業の意味も反転した。
豆ちしき
江戸の街が世界有数の清潔さを保てたのは、屎尿が資源として売買され、農村へ運ばれる仕組みがあったから。都市の衛生を支えたのは、下水道ではなく経済だった。
この仕事の系譜
屎尿汲み取り人 → 下水道+化学肥料



