RECORD NO.121 · 明治〜昭和の日本
演歌師
Enka street singer
◆絶滅〜昭和日本⑦ メディア・娯楽の交代
要約
街頭でバイオリンを弾き、歌をうたい、歌詞カードを売った。「演歌」という言葉の語源はここにある。
しごとの中身
繁華街の路上でバイオリンを弾きながら時事や世相を歌い、歌本(歌詞カード)を売って稼ぐ。元は自由民権運動の政治的な演説を歌にした「演説歌」が起源で、それが略されて「演歌」になった。歌はメディアであり、路上は舞台であり、歌本が商品だった。
道具
バイオリン歌本通る声路上の人だかり
きえたわけ
1920s〜—レコードとラジオが歌の流通を担う
昭和—歌手が「レコードを売る職業」になる
以後—街頭で歌本を売る商売が消える
歌を届ける手段が、人の声から円盤と電波に変わった。だが「演歌」という言葉だけが、まったく別のジャンル名として生き残っている。
豆ちしき
今日の「演歌」は歌謡曲の一ジャンルを指すが、その語源は政治的な「演説歌」。言葉だけが残り、意味は完全に入れ替わった。名前は職業より長生きし、時に中身を変える。
この仕事の系譜
演歌師 → レコード歌手



