RECORD NO.122 · 明治〜昭和の日本
流し
Nagashi musician
◇変質〜昭和日本⑦ メディア・娯楽の交代
要約
ギターやアコーディオンを抱えて酒場を回り、客のリクエストに応えて演奏した。カラオケマシンに客を奪われた。
しごとの中身
夜の飲食店を一軒ずつ回り、「一曲いかがですか」と声をかける。客が歌いたい曲を伝えると、その場で伴奏する。膨大なレパートリーを頭に入れ、どんなキーにも即応する。客を気持ちよく歌わせる伴奏の腕が、そのまま収入になった。
道具
ギター・アコーディオン膨大なレパートリー即興の移調酒場のルート
きえたわけ
1970s〜—カラオケが酒場に普及する
1980s—カラオケボックスの登場で歌う場が変わる
現在—ごく少数の流しが現役で活動する
機械は疲れず、安く、いつでも伴奏する。ただし機械は客の顔を見てキーを変えたりしない——その差分だけで、いまも生きている流しがいる。
豆ちしき
流しから世に出た歌手は少なくない。酒場を回る日々が、そのまま実地のオーディションになっていた。消えた職業は、才能の発掘装置でもあった。
この仕事の系譜
流し → カラオケ(少数の現役が残る)



