RECORD NO.127 · 明治〜昭和の日本
木地師
Woodturner
◇変質〜昭和日本④ 生活様式・インフラ① 電化・機械化
要約
山に住み、轆轤で椀や盆を挽いた漂泊の職能集団。プラスチック製品に日常の器を奪われた。
しごとの中身
良木を求めて山から山へ移動し、その場で木を伐り、手挽き轆轤で椀や盆を削り出す。ある山の木を使い切ると次の山へ移る漂泊生活。全国の山を自由に行き来する特権を認められていたという伝承を持ち、独自の共同体を形成していた。
道具
手挽き轆轤鉋木を見る目山を渡る足
きえたわけ
20c—プラスチック製の食器が安く出回る
戦後—山林の私有化・規制で自由な移動が難しくなる
現在—伝統工芸(漆器の木地など)として定住し存続
素材の交代と、移動の自由の消滅——二重の理由で漂泊の職能が消えた。技術は残ったが、生き方のほうが先に失われた。
豆ちしき
木地師は、朝廷から全国の山の木を自由に伐る許可を得たという由緒書を携えていたと伝わる。※移動の自由を保証する一枚の紙が、彼らの生業の土台だった。
この仕事の系譜
木地師 → 樹脂製品(伝統工芸として存続)



