RECORD NO.130 · 明治〜昭和の日本
カストリ雑誌業
Pulp magazine publisher
◆絶滅〜戦後日本⑤ 制度・法律⑦ メディア・娯楽の交代
要約
戦後の焼け跡に噴き出した、粗悪な紙の大衆娯楽雑誌。「三合(三号)で潰れる」が名の由来という説がある、短命を宿命づけられた出版業である。
しごとの中身
統制が緩んだ紙を安く仕入れ、性風俗・猟奇・実話ものを詰め込んだ雑誌を作る。編集も執筆も少人数、印刷は粗く、誌名を変えて出し直すことも日常。取り締まりで発禁になれば、また別の誌名で創刊する。焼け跡の人々が求めた娯楽を、最速で供給する自転車操業だった。
道具
粗悪なザラ紙扇情的な見出し匿名の書き手発禁を逃れる誌名替え
きえたわけ
1946〜—検閲の緩みと紙統制の解除で乱立する
1950s—大手出版社の週刊誌が娯楽市場を回収する
以後—粗製濫造の雑誌群が消える
出版の秩序が戻ったとき、無秩序の中でしか生きられない商売が消えた。ただしこの時期に書いた作家や編集者が、後の週刊誌文化を作った。
豆ちしき
「カストリ」は粗悪な密造焼酎の名から。「三合(=三号)で酔い潰れる」という洒落が誌名の由来という説がよく知られる。※自分の短命さを名前に織り込んだ、稀有な業界である。
この仕事の系譜
カストリ雑誌業 → 週刊誌・娯楽出版



