消滅職業図鑑
← 索引にもどるNO.129 ドックかんかん虫
NO.129◆絶滅 〜昭和
ドックかんかん虫

ドックかんかん虫

Ship scaler

「カンカン、さびおとし」

RECORD NO.129 · 明治〜昭和の日本

ドックかんかん虫

Ship scaler

◆絶滅〜昭和日本① 電化・機械化

要約

船底の錆をハンマーで叩き落とす港湾労働。その音から「かんかん虫」と呼ばれた、造船所の最底辺労働である。

しごとの中身

ドック入りした船の底に取りつき、ハンマーやスクレーパーで貝殻と錆を叩き落とす。船体にへばりつく姿と、絶え間ないカンカンという音から「かんかん虫」。粉じん、騒音、高所——過酷な条件下の単純労働で、日雇いが多かった。

道具

ハンマースクレーパー足場耳を守るもの(なかった)

きえたわけ

  • 20c後半—高圧洗浄(ウォータージェット)が実用化される

  • 同時期—防汚塗料の進化で付着そのものが減る

  • 以後—人力の錆落としが不要になる

技術が過酷な労働を消した、望ましい消滅。ただし、その仕事で食べていた人々の受け皿が用意されたかは、また別の話である。

豆ちしき

「かんかん虫」という呼び名は、労働者自身ではなく周囲がつけた蔑称に近い呼称でもあった。職業名に込められた視線までが、その時代の記録になっている。

この仕事の系譜

ドックかんかん虫 → 高圧洗浄・防錆技術

おなじ時代に消えたなかま