RECORD NO.139 · 平成の日本
電話売買仲介人
Telephone rights broker
◆絶滅〜平成日本② 通信・デジタル化
要約
電話加入権という「資産」を売買した仲介業。権利そのものが無価値化して消滅した。
しごとの中身
固定電話を引くために必要な「電話加入権(施設設置負担金)」は、かつて数万円の価値を持つ財産だった。この権利を売りたい人と買いたい人を仲介し、手数料を得る。相続や差押えの対象にもなり、質草にもなった。電話が贅沢品だった時代の、独特の金融的な商売である。
道具
加入権の相場表売り手と買い手の名簿名義変更の実務知識
きえたわけ
1990s〜—携帯電話の普及で固定電話の必要性が下がる
2000s—IP電話の登場と加入権料の値下げで資産価値が暴落する
平成—職業分類から削除される
商品そのものが消えたのではなく、商品の「価値」が消えた。売買する意味がなくなれば、仲介する仕事も消える——市場ごと蒸発した消滅である。
豆ちしき
かつて電話加入権は財産として相続税の対象にもなり、家計の資産の一部だった。いまや若い世代には「電話を引くのにお金を払って権利を買う」という発想自体が通じない。
この仕事の系譜
電話売買仲介人 → 携帯電話・IP電話



