RECORD NO.140 · 平成の日本
牛馬仲介人
Livestock broker
◆絶滅〜平成日本① 電化・機械化④ 生活様式・インフラ
要約
農耕用の牛馬を売買仲介した目利き。伯楽の末裔だったが、農業から牛馬が消え、目利きの出番も消えた。
しごとの中身
農家に牛馬を売り、あるいは買い取る仲介をする。歯を見て年齢を、脚を見て力を、目を見て気性を判断する。牛馬は農家にとって最大の資産であり、良し悪しの判断は経営を左右した。市場を渡り歩き、売り手と買い手の間で値を決める、生き物の目利き商だった。
道具
家畜を見る目相場の知識市の人脈交渉の駆け引き
きえたわけ
1960s〜—耕運機・トラクターが農耕牛馬を置きかえる
20c後半—農家から牛馬が姿を消す
平成—職業分類から削除される
機械が牛馬を追い出したとき、牛馬を見立てる仕事も一緒に追い出された。仲介という職業は、仲介する対象が消えれば道連れになる。
豆ちしき
「伯楽」は名馬を見抜く名人を指す中国の故事に由来し、日本では牛馬の仲介人や治療者を指す言葉になった。数千年続いた「馬を見る目」という職能が、トラクターの普及で数十年のうちに消えた。
この仕事の系譜
牛馬仲介人 → 農機・家畜市場の制度化



