RECORD NO.135 · 明治〜昭和の日本
火の見櫓番
Fire watchtower keeper
◆絶滅〜昭和日本② 通信・デジタル化
要約
櫓の上から町を見張り、火事を見つけて半鐘を打った。通報インフラが、人の視力を代替した。
しごとの中身
町の高い櫓に登り、四方を見渡して煙や炎を探す。火事を見つけたら半鐘を打ち、その打ち方(近い火事は連打、遠火は間隔をあけて)で場所と規模を町中に知らせた。夜通しの当番もあり、寒風の中で数時間見張り続ける。町全体の目となる仕事だった。
道具
火の見櫓半鐘遠くを見る目打ち分けの合図
きえたわけ
20c—電話の普及で「見つけた人が通報する」形に変わる
戦後—消防無線と火災報知器が整備される
以後—櫓の上の見張りが不要になる
一人が見張るより、全員が通報できるほうが速い。監視の集中から分散へ——この構造転換が、番人という職を消した。
豆ちしき
火の見櫓そのものは今も各地に残り、地域のシンボルや文化財になっている。番人は消えても、その仕事場だけが風景として立ち続けている。
この仕事の系譜
火の見櫓番 → 119番通報・火災報知器



